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漣はチュルチュルとワインを満喫している。
気分が良いのか楽しいのか、あっと言う間にグラスを空けてしまった。
「ワイン無くなっちゃったよ。タ~ク」
「イヤです」
拓真は元気のようにパシられてはくれない。
「タ~ク。お願い。ワインっ!」
「ダメです。自分で行きなさい!それくらいできるでしょ」
「ふんっ!タクには頼まねぇよー!アークーマー。だいたい飲酒運転するなって言ったのは誰だよ」
漣はぷいっとスネた。
その時、元気のワインが目にとまった。
ニコッと笑った漣は両手でグラスを挟み慎重に持ち上げ、落としそうになりながらも、なんとか自分の前までグラスを運んだ。
「Yeah~!」
漣は得意気な顔で拓真を見た。
次に空になったグラスのストローを口に銜えて新しいグラスに移し、楽しそうに飲み始めた。
「ストローでワインねえ」
「ナンだよ?タク。そう言うのを偏見って言うんだぞ。差別をしちゃいけませんって、幼稚園で教わらなかったのかよ。そんなんで弁護士になろうってのか?」
「いや。だって美味しくないでしょ」
「ストローはいいぞぉ」
「アツアツのコーヒーで火傷したのは誰でしたっけ?」
「あー!それ忘れてぇ!!」
漣は拓真にいじられるのも好きだったりする。
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