再び披露宴

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「今日、ユキちゃんどうしたの?」 “ユキちゃん”とは5人の担任であった東山真之のこと。 「修学旅行だって言わなかったっけ?」 「おいら聞いてないよ」 「教え子の結婚式より仕事が大事なんですかね。薄情者め!」 「だから、修学旅行だからね」 「あっ!ユキちゃん逃げたんだよ。だってシューちゃんさ、ユキちゃんのこと好きだったでしょ」 元気は入学当時の出来事を思い出した。 秀人は東山の男らしさに惚れ込み、毎日のように「かっけぇ~!」と言っていた。 「中1の時でしょ。ユキちゃんも忘れてますよ」 「いやぁ。でもそのせいでみんなサッカー部に入ったんだからね。どんだけ秀人くんに振りまわされてたんだよ、俺たち」 「漣くん分かってないね。一番振りまわしてくれたのは漣くんなのにね」 慧と拓真がまた同じタイミングでコクンコクンと頷いた。
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