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そこへ、携帯ゲームをピコピコしながら新たな参戦者がやってきた。
「あなたたち静かにして下さいよ。いつまで小学生気分なんですか?バカですねぇ」
「ちょっとぉ。失礼だろ。初対面でバカはないでしょ。礼儀のない人だな」
秀人が呆れた口調で言い返す。
「バカって言う方がバカなんだよ!」
元気も反論するが説得力がない。
「やっぱりバカだ!」
3人はバカだのチビだのと言い合った。
「大きい方の人はバカで、小さい方の人はヘタレですね」
「俺のドコがヘタレなんだよ!だいたい漣くんが悪いんだよ!」
形勢が不利になるや秀人の怒りの矛先が漣に向く。
「俺が!?」
「騒がしいヤツの肩を持つからだよぉ。もぉー。漣くんのせいだからね」
この一言で漣がキレた。
「チビって言われたからって八つ当たりしないでよ。秀人くんこそ、いい加減チビって認めなよ!」
睨み合う秀人と漣。
沈黙に耐えきれずに秀人が叫ぶ。
「漣くんなんか嫌いだよぉぉぉ」
よほどショックだったのか、秀人は漣の腕を何度も叩いた。
「ちょっとぉ。やめなよ」
元気は秀人を漣から離そうとしたが、おもいっきり振り払われ、その拍子に隣の席で絵を描いている子にぶつかった。
「あっ。ごめん」
「痛いよ!」
元気はぶつかった子の顔を見た。
「ああっ!!キミ制服の採寸の時に会ったよね?覚えてる?俺だよ!俺!」
元気は旧友との再会パート2に感激した。
「知らねえよ」
これが5人の出会いだった。
慧・秀人・元気・拓真・漣
ここから、彼らの10年が始まった。
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