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「そろそろ体育館に移動します。廊下に出て出席番号順に並んで下さい」
東山は初めての担任で張り切っている。
「ヒャッホー!俺、1組の1番だから先頭だぁ!」
元気は東山よりも張り切っている。
「茉森君、前に来なさい」
「は…い」
学年主任がやってきて、漣に何やら告げると原稿のような物を渡した。
学年主任は漣の肩に手を置いた。
「しっかり頼むぞ」
漣は俯いたまま黙り込んでいる。
東山は漣の前に屈み目線を合わせる。
「茉森君。お願いしましたよ。いいですね?」
「は…い」
イジイジとしている漣の手を握って、東山は優しく微笑む。
「有栖川君と織作君は茉森君を手伝って下さい」
「はい!漣くん、よろしくね」
元気が文字通り元気よく声を掛けた。
「なんかあったら、遠慮なく言ってね」
慧も優しく漣と視線を合わせる。
「よろしくお願いします…」
漣は下を向いたまま小さな声で返事をした。
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