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「あっ、そうそう。俺さ、昨日から不思議だったんだけど、1組って他のクラスより人数少なくねぇ?漣くんと何でだろうねって言ってたんだよね」
秀人が切り出した。
「あっ、それおいらも思った」
「俺もぉー!」
今年の新入生は90名。
1組が20人で2組と3組がそれぞれ35人といったクラス編成である。
「特進クラスだからでしょ」
拓真が言った。
「トクシンクラス?」
「何それ?」
「食べられるの?」
おバカな質問は元気である。
「ちょっと待って下さいよ。えーっ!?本当に知らないんですか?」
4人はコクリと頷いた。
「特別進学クラスのことですよ。入試合格者上位20人が集められたクラスなんです」
「へぇ。上位20人ね。えーっ!!俺が!?俺、20番以内だったの?」
元気は驚いて唐揚げを吹き出した。
「やめてください!!なんであなたみたいなのが合格したんでしょうね。間違いだと思いますが、あなた5番ですよ」
「ご・ご・ご・5番んんん!?」
合格しただけでも奇跡なのに5番だなんて有り得ない!!
元気でなくとも驚いて当然だ。
「なんだ有栖川君。バカだと思ってたけどヤルねぇ」
秀人は少しだけ元気を見直したようだ。
「そう言うあなたは4番でしょ」
「はっ!?4番?またぁ~」
秀人は驚かない。
元気に負けるはずがないと思っていた。
「すごいね。タクはどうして知ってるの?」
「タク?」
「タクだろ。ね!」
拓真は慧に"タク"と呼ばれてドキッとした。
慧はふにゃっとした笑顔を向けてくる。
「合格発表の時に、上位5人の名前も掲示板に発表されてましたよ」
「へぇ。漣くん知ってた?」
「知らなかった。有栖川君は?」
元気は唐揚げを頬張り、首をブンブンと横に振っている。
「カンベンして下さいよ。あなたたちは入試要項を読まなかったのですか?」
また4人同時に頷く。
「じゃあ教えてあげます。織作さんは3番ですよ」
「おいら3番なの!?へぇすごいや」
あなたのことでしょ。
そんなところも可愛いなぁと拓真は思う。
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