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「タクは何番だったの?」
また慧に“タク”と呼ばれた。
ドキッとしたが心が安まる気もした。
「2番でした」
「すごーい!」
漣は居心地が悪くなってきた。
「なんか。みんな。すごいね…。秀人くん、スゴく頑張ってたもんね」
「だから勉強しろって言ったのに。俺の言うこと聞かないからだよ」
「受験勉強してなかったんですか?」
拓真が首を傾げる。
「漣くんは養護学校に行くつもりだったんだけど、俺が無理に誘ってね。クリスマスに受験を決めたんだよね」
「クリスマス!?そんなんで合格ってスゴいね!」
元気は単純に感心している。
拓真は秀人を見た。
(余計な事をしてくれましたね)
「茉森君は、どうして新入生代表に選ばれたのですか?」
拓真はイジワルな質問をしてみた。
「それは。俺が…」
「やめろよ!」
秀人が拓真を睨みつける。
「あなた1番だったからですよ」
それだけ言って、拓真も唐揚げを頬張った。
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