始業式

7/7
前へ
/201ページ
次へ
「タクは何番だったの?」 また慧に“タク”と呼ばれた。 ドキッとしたが心が安まる気もした。 「2番でした」 「すごーい!」 漣は居心地が悪くなってきた。 「なんか。みんな。すごいね…。秀人くん、スゴく頑張ってたもんね」 「だから勉強しろって言ったのに。俺の言うこと聞かないからだよ」 「受験勉強してなかったんですか?」 拓真が首を傾げる。 「漣くんは養護学校に行くつもりだったんだけど、俺が無理に誘ってね。クリスマスに受験を決めたんだよね」 「クリスマス!?そんなんで合格ってスゴいね!」 元気は単純に感心している。 拓真は秀人を見た。 (余計な事をしてくれましたね) 「茉森君は、どうして新入生代表に選ばれたのですか?」 拓真はイジワルな質問をしてみた。 「それは。俺が…」 「やめろよ!」 秀人が拓真を睨みつける。 「あなた1番だったからですよ」 それだけ言って、拓真も唐揚げを頬張った。
/201ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1000人が本棚に入れています
本棚に追加