《禁断の一目惚れ》

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俺は電車を2回乗り換え、俺の街よりも人の多い《ジュクーンシ》にやって来た。 生まれて初めての都会、俺は戸惑っていた。 『よぉ!あんちゃん!何かお困りかいっ!』 俺の元へ寄ってきたのは、肌の黒い髪がボサボサの男。 『おいおい、無視すんなよ!助けてやろうと思ったのに。』 『いや、結構です。』 ほっとこう。こういう人間にろくな奴はいない。 『ひょっとして、ジュクーンシは初めてか?』 『何でわかるんですか?』 『もう、プンプンするっ!お前の田舎臭いにおいが、街中にプンプンしてるっ!俺なんて失神寸前!!』 『……さようなら。』 『まぁ待て待て!お前みたいな奴が1人でいたら、わっるーい奴らにカモられるぜっ!』 『カモられるって?』 『かぁ~。何もわかってないね。よく来たね。捨てよう。カモられる前に金目の物を全部捨てよう!』 『どういうことっすか?』 『この街はわっるーい奴らがいっぱいいるの。だから、田舎臭いお前みたいなのを見つけて、金目の物を盗るの!わかったか田舎もん。』 『は、はぁ~。』 『だから、俺が助けてやる。俺は結構顔利くんだ!俺といれば全て平気だ!』 『は、はぁ~。』
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