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「クソッタレッ!」
マガジンを交換し終わった一人が銃口を向ける頃には、そいつはコンテナの陰に隠れてしまっていた。
「おおおおおおッ!!」
そいつが隠れたコンテナに向かってマシンガンを乱射する。
激しく火花を散らすコンテナ。
「おおおおお……!」
狂った様にマシンガンを乱射していた奴が、突然前のめりに倒れ込む。
「オイッ」
驚いて見ると、そいつは白目を向いて気絶していた。
そしてそのすぐ後ろに、あいつがいた。その男が気絶させたと頭が判断するより先に、マシンガンの銃口を向けていた。
だけど、それは全てが無駄となる遅さだった。
指が引き金を引くより先に、眼前にそいつの拳が迫っていた。
※※※
「こちら剣七号。対象者を全員やっつけましたどーぞー」
銃声が鳴り止んだ倉庫内に、若い男の声が響いた。
『ご苦労。すぐに警察と処理班が向かう。君はすぐに戻ってきてくれ』
若い男の声に応える様に、機械を通して若い女性の声がした。
「りょーかい。……小早川隊長」
『何だ?』
「部下をこき使い過ぎです。労働基準局に言い付けますよ」
若い男の軽口に、面白くもなさそうに若い女性が乾いた笑い声を出した。
『君の実力は把握している。その程度の相手、君一人で十分だろう』
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