プロローグ

3/4
9017人が本棚に入れています
本棚に追加
/704ページ
「クソッタレッ!」 マガジンを交換し終わった一人が銃口を向ける頃には、そいつはコンテナの陰に隠れてしまっていた。 「おおおおおおッ!!」 そいつが隠れたコンテナに向かってマシンガンを乱射する。 激しく火花を散らすコンテナ。 「おおおおお……!」 狂った様にマシンガンを乱射していた奴が、突然前のめりに倒れ込む。 「オイッ」 驚いて見ると、そいつは白目を向いて気絶していた。 そしてそのすぐ後ろに、あいつがいた。その男が気絶させたと頭が判断するより先に、マシンガンの銃口を向けていた。 だけど、それは全てが無駄となる遅さだった。 指が引き金を引くより先に、眼前にそいつの拳が迫っていた。 ※※※ 「こちら剣七号。対象者を全員やっつけましたどーぞー」 銃声が鳴り止んだ倉庫内に、若い男の声が響いた。 『ご苦労。すぐに警察と処理班が向かう。君はすぐに戻ってきてくれ』 若い男の声に応える様に、機械を通して若い女性の声がした。 「りょーかい。……小早川隊長」 『何だ?』 「部下をこき使い過ぎです。労働基準局に言い付けますよ」 若い男の軽口に、面白くもなさそうに若い女性が乾いた笑い声を出した。 『君の実力は把握している。その程度の相手、君一人で十分だろう』
/704ページ

最初のコメントを投稿しよう!