古書

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あ、あの、ちょっといいかな……はじめまして、私、榊原幹恵っていいます。 私、この大学で英文科なんだけど……質問があるの…… あのお友達にね……言語学に詳しいって聞いて…… ごめんね、次の講義まで時間あるでしょ……ちょっと教えてほしいの。 私のお話、聞いてね…… 私、昨日ね、本を衝動買いしちゃって…… 古本屋さんでね……安いと、買っちゃうのよ……だいたい積ん読になっちゃうけど…… 昨日、買った本なんだけど……今、持ってるからだすね……えっと…… ゴソゴソ …… あった……これこれ……ええっと……本の後ろの方に、値段の紙が……¥380 ……ねっ、安いでしょ ……へへ…… こんな辞書みたいに重くて大きくて……この値段なの……いいでしょ…… 装丁が渋いのよね……古くてボロボロなのがイーんだわ……これが…… えっ?何の本かって…… そんなの解らないよ……解んないから教えて欲しくて聞いてんだよ。 日本の本じゃないもん……アルファベットだけど英語じゃないし……挿し絵もないし…… どっちにしても積ん読だけど…… あ、タイトル?そうね、本の題名は…… ΥΗVΗ ……ね、英語じゃないし、読めないから…… まぁ、私の場合……読めても……ほとんど積ん読になっちゃう…… ま、百科事典みたいなもんよ……飾り、飾り……きゃはは……読めなくていいのぉ! でも、なんの本だろね……せめて何語で書かれてんのか知りたいんだけど…… ちょっと……読んでみる?
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