始まり

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帰りは正門のところに停まってる車に乗って帰る。 その事を考えると気が重くなる。 いい加減自立したいのに、社長令嬢というご身分のせいで全く親離れできない。 誰かこの重苦しい世界から救い出してくれる人がほしかった。 今のところ私にとってのその“貴重な存在”は、幼なじみで親友の沙羅だけだった。 私のことを奈々とよんでくれる、もう1人の人。 沙羅がいなかったら、私はどうなっていたんだろうと思うくらい大切な親友だ。 沙羅の家はママが小さい頃に亡くなって、パパが男でひとつで沙羅を育てた。 そのせいか、沙羅はかなりさっぱりした性格をしている。 沙羅みたいになれたらと何度思ったか、数えられない。
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