最強の彼

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「……ぃ……や…てよ……なし……!」 (チッ、間に合え!!)  尋常でない速さで走りだして1分ほどが経ち、女の声が聞こえた瞬間にジクスは一気に加速して細道を駆け抜け、小さな空き地のような場所に出た。  そこには3人の灰色のローブを纏った男と、服を破かれて裸同然にされた女の子がいた。  男は3人で女の子を襲っており、それに夢中になっているのかジクスにまったく気付いていない。 「やめて! 離してよ! なんでこんな、ぁんっ」 「感じてる奴に離してって言われて離すわけなくね? ああ、俺もう我慢できねえ!」 「ああ、俺も我慢できねえな……このカスが」 「なっ!? おぶっ!!?」  男の1人が言った直後、ジクスがその男の頭を掴んで地面にたたき付けた。  他の2人が予期せぬ事態に呆然となっている間にジクスは女の子を抱き抱え、優しく頭を撫で始めた。  女の子は最初こそ抵抗していたものの、徐々に落ち着いていって、まだ警戒はしているようだがジクスから離れようとはしなくなった。 「てめぇ、よくも邪魔しやがったな! ぶっ殺してやるよ!!」  ジクスにたたき付けられた男は立ち上がり、ふらつきながらそう言ってジクスに突っ込む。  ジクスはそんな男をただ睨み、男はその目を見た瞬間に動きを止めた。
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