最強の彼

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 ジクスの言葉にヤクトは頭を上げて答え、ジクスは女の子を連れて通路へと歩き出す。 「ちょっ、ヤクトさん!? 何故捕まえないんですか!?」 「黙れ! この方が相手であるなら、貴様が俺にした説明は全て嘘だ」  ヤクトはそう言うと男の腕を引っ張って道を開けさせ、ジクスは女の子の手を引いて通路へと消えていった。 「貴様と残りの2人の処分を決める。ギルドに戻るぞ」 「なっ、何故俺達が!? 俺達はあの少女を助けようと」 「黙れ、強姦しようとしたクズが喋るな。言ったはずだ、あの方が相手なら貴様の説明は全て嘘だとな。 それに強姦しようとした男に抱き着くわけないだろ」  ヤクトは男の言葉を遮り、紫色の冷めた目で見ながら言う。  他の4人は地面に放置された2枚のローブを回収したり、男が破った女の子の服を回収したりしている。 「何なんですか、さっきからあの方があの方がって! あの男は何なんです!? 何故俺よりもあの男を信用するんですか!?」 「貴様が知る必要はない。もう貴様はギルドの隊員ではなく、ただの犯罪者になったんだからな」 「っ! ふざけんな!! んなこと言われて納得できるかよ!! 何で俺よりあいつの方が信用できるんだよ!?」  淡々とした口調で言われた男は、敬語も使わずに叫ぶように反論した。
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