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女の子は灰色のローブを着たままで、外を歩けばかなり目立つ。
実際ここに来るまでに通行人にジロジロ見られ、かなり欝陶しかったのだ。
(下着どうしよ……パンツだけは破かれなかったけど、上は無いしなぁ)
女の子はそんなことを考えながら深いため息を吐き、ジクスが戻ってくるのを待った。
「買ってきたぞ。渡すから手を出してくれ」
「あ、はい。ありがとうございます」
それから女の子が下着をどうしようかと考えていると、ジクスの声が聞こえたので女の子は手を外に出す。
ジクスがその手に服を乗せると、服はカーテンの向こう側に消えた。
(……あれ?)
その渡された服を見た女の子は不思議そうに首を傾げた。
自分が渡したのは上着とスカートの2枚だけのはずなのに、前にファスナーのついた黒のパーカーが加えられていたからだ。
「あの、このパーカーは……?」
「いや、その……あれだ。とりあえず羽織ってろ。頼むから聞かないでくれ、男の俺が言うのは恥ずかしい」
「はぁ、わかりました」
うろたえるジクスに曖昧な返事をして女の子はローブを脱ぎ、ジクスに渡された服を着る。
そしてジクスに渡されたパーカーを羽織るとカーテンを開け、試着室から出た。
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