最強の彼

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 朝日が差し込む、必要最低限の家具しかないとある一室。  そこにツンツンの銀髪に、紅い目の男がベットで上半身だけ起こしてぼーっとしていた。 「…………眠い」  ボソリと一言呟いて男はベットから降り、眠そうに目を擦りながら洗面所へとフラフラと歩いていく。  顔を洗って戻ってきた男は先程の眠そうな半開きの目ではなく、キリッとした目になっていた。 (今日はレイが話があるって言ってたな……めんどくせ~)  そんなことを考えながら男は服を寝間着から灰色のシャツとジーンズに着替えて部屋を出た。  それから少し時間が経った頃、その男は白を基調とした部屋で椅子に座り、白髪混じりの黒髪に藍色の目の男性と向かい合っていた。 「レイ、何の用で呼んだんだ?」 「んー、まあ用って言うかお願いなんだよね」  男の質問にレイと呼ばれた男性はそう答えた。  このレイと呼ばれた男性の名前はレイフォード・ニュテクス、男が生活しているギルドのギルドマスターだ。 「お願いねぇ……どんな?」 「教師になって」 「はぁ? んなもん学園に十分過ぎるくらいいるだろ。なんで俺が教師にならないといけねえんだ?」  男がそう言うと、レイフォードは指をパチンと鳴らした。
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