最強の彼、学園へ

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 3人が歩く廊下の天井はとっくに低くなっていて、教室にいる生徒がジクスとティーナに興味の視線を注ぐが、それを無視して歩き続けた。 「ここじゃ。ちなみにこの隣には学園長室がある。用があれば……まあなくても紅茶くらいならあるから、飲みに来てもいいがのう」  学園長はそう言うとドアを開けて職員室の中に入り、2人もそれに続く。  職員室は2人の予想以上に広く、かなりの数の教師がそれぞれ自分の仕事をしていた。 「皆、手を止めよ! ギルドが派遣してくれた2人を紹介する!」  学園長が言うと教師達は全員ジクス達の方を向き、静かに次の言葉を待つ。  それを確認した学園長はジクス達に前に出るように促し、それに従って2人は移動した。 「……じいちゃん、こういうときは何を言えばいいんだ? まともな自己紹介なんかしたことなくてな」 「名前とギルドのランク……それと種族で良いと思うがの」  ジクスが小さな声で質問すると、学園長も小さな声で返す。  それを聞いた2人は驚き、学園長はそんな2人を見て微笑みを浮かべた。 「気付いてたのか……まあいいや、とりあえず自己紹介しないとな」 「そうですね。何故気付けたのかはあとで聞きましょう」  2人はそう言うとこちらに注目している教師達の方を向き、口を開いた。
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