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ジクスと呼ばれた男はそれを聞いてゆっくりと立ち上がり、ゆっくりとレイフォードへと近づいていく。
「なあレイ、俺はおまえがギルドマスターになる前に何て言ったっけ?」
「あ、いや、ちょっと待ってください! それが届いたの昨日なんです!!」
背後に般若が見えそうな威圧感を放つジクスに、レイフォードは敬語で必死に言った。
「へえ……゙昨日゙か。もう一度聞こう、俺はおまえがギルドマスターになる前に何て言ったっけ?」
「……重要なことは可能なかぎり早く知らせろって言いました」
ジクスの雰囲気に堪えられなくなったレイフォードは、床に正座してプルプル震えながら言った。
「ハァ……まあいいや。次からはしっかりしてくれ」
「はい、わかりました!」
レイフォードは正座したまま敬礼をし、ジクスはそれを見てため息を吐いて椅子に座った。
「それで、学園に行くのに用意しないといけない物はあるか?」
「いや、別にないよ。必要な物は全部学園側が用意するってさ」
「わかった」
ジクスはそう言うと立ち上がり、扉の方へと歩きだした。
「どこか行くのかい?」
「教師になったら当分店に行けなくなるから、マスターにそのことを報告しに行ってくる」
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