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「そんなこと言うなら、1回ジクスさんと話してみてよ! 絶対そんな考えなんて吹き飛ぶから!」
ね? とキラキラといかにも期待してますという目で言うメリカに、サラは口元をヒクつかせる。
サラの経験上、この状態のメリカは何を言っても聞かないので、サラはサーシャに助けを求めるように顔を向けた。
だが、サラの目に入ったのは自身が望んだものとは掛け離れているものだった。
「ん~、メリカがそう言うなら話し掛けてみよっかな?」
サーシャはチラチラとジクスの方に視線を送っては、話し掛けようかと迷っている。
その様子を見たメリカはサラの肩から手を離し、今度はサーシャの肩を掴んだ。
「サーシャ、迷ってないで動くの! それがサーシャでしょ!」
「はっ!? そうだね、それが私だよね! 迷うなんて私には似合わないよね! サーシャ、いっきまーす!」
「ちょっ、サーシャァァァァ!!」
メリカの勢いに飲まれたのか、それとも元からこうなのか……サーシャは一気にテンションを上げると、叫ぶサラを無視してジクスへと駆け寄っていった。
「せんせぇぇぇぇ!!」
「んあ? うおぁっ!?」
そして跳躍するとジクスに突っ込み、ジクスはレミアとの話を中断して魔力の膜を作り、サーシャの衝撃を和らげた。
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