最強の彼、学園へ

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「どうかしたのか?」 「どうもしな……しませんよぉ! 話して先生がどんな人なのか知ろうと思った……んです!」 「慣れてないなら無理に敬語を使う必要はねえぞ」  ジクスから離れ、ぎこちない敬語で言うサーシャに、ジクスは話を中断されて不機嫌になっているレミアの頭を撫でながら言う。  するとレミアはサーシャを睨むのをやめて目を閉じ、両手をジクスの手に添えた。 「了解! いやー、敬語って苦手なんだよねぇ。意識すれば大丈夫なんだけど、すぐに素が出ちゃうんだ……」 「へ~、じゃあ俺と同じだな。俺も敬語使うの苦手なんだよ」  困ったような笑みを浮かべて頬を掻くサーシャに、ジクスは笑顔でそう言葉を返す。  それを聞いたサーシャは、不思議そうな表情で首を傾げた。 「それは先生がドラゴンだからじゃないの?」 「いやいや、種族はドラゴンでも今は人として生きてんだ。 人なら自分より役職が上なら敬語を使うべきだろ?」 「まあ、基本はそうだけど……」  ちょうどそこでチャイムが鳴り、ジクスの指示で全員が自分の席に戻っていく。  サーシャは自分を凝視してくるサラの隣に座ると、サラの耳元に顔を近づけて口を開いた。 「先生、凄く話しやすかったよ」  サーシャはそう耳打ちすると、サラが答える前に離れて自分の席に座った。
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