最強の彼、学園へ

19/35

17370人が本棚に入れています
本棚に追加
/429ページ
「私はすることがないので、午後の授業で使う物を準備してきます。……メリカをあのまま放置したら、今日の夕食は作ってあげません」 「メリカ、気が変わった。魔身具の説明もする」  ティーナがジクスの耳元で囁くと、ジクスはどこか焦った様子で言った。  それを聞いたメリカはキョトンとした表情になったが、すぐに嬉しそうな笑顔に変わった。 (クソッ、飯さえ自分で作れたら……まあ、別に今話してもいいけどさ)  ジクスは教室から出ていくティーナを見ながら、そんなことを考えていた。  どうやらジクスは料理ができないようだ。 「何故僕との扱いがこんなに違うんだぁぁぁ!!」 「話ができねえっつってんだろうが!! 必殺、チョークマシンガン!」 「あぶばべぶあぁ!?」  カルトスが叫びながら立ち上がると、ジクスから5本のチョークが投げられ、カルトスは奇声を発して力無く椅子に座った。 「さて、じゃあ話をするぞ。全員約200年前にあった戦争のことは知っているな?」  そんなカルトスを無視して真剣な表情でジクスが言うと、生徒も真剣な表情で聞き始めた。  そしてジクスの問いに数人が頷き、ジクスは話を続ける。 「この国【オルト】と陸続きになっている【タストール】が、こっちの領土を奪おうとして攻めてきた戦争。 はい、ここで問題だ。この戦争のことを通称何と言う? カルトス、目から汗を流さなくていいから答えろ」
/429ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17370人が本棚に入れています
本棚に追加