最強の彼、学園へ

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「えっ? だっておまえ苦痛を快楽に変換できるんだろ? だからおまえを標的にしてみた」 「さっきそんな能力無いって言いませんでしたっけ!? ってか先生笑ってますよね!?」  髪や顎から水を滴らせながら文句を言うクレイに、ジクスは口元を手で隠してそう返す。  ジクスの肩は小刻みに震えており、口元を隠しても笑っているのは隠せなかった。 「すまんすまん。ま、さっき変な質問した罰とでも思ってくれ」 「別に変じゃないっスよ!! あれは男なら誰でも「黙れ、先生が話を続けられん」……はい」  立ち上がって言うクレイだったが、シンが分厚い本をクレイの頭に当てて言うと大人しくなって椅子に座った。  クレイがこの扱いなのはいつものことなのか、周囲は無反応だ。 「今の水の塊はこの程度の威力だが、魔力を流せば流すほど、塊の威力は上がる。こんなふうにな」  ジクスは再び魔身具に魔力を流し込んだ。  当然先程と同じように魔身具からは水が噴き出したが、その水が形成した塊は先程と同じではなかった。  サイズは先程のものと大差は無いが、クレイに飛ばしたのは形の定まらない塊だったのに対し、今回のものは綺麗な球の形を保ったまま全く変化しないのだ。 「こいつは大量の水を圧縮した塊だ。わかりやすく言えば水の爆弾ってとこだな」
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