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「ふー、できたできた。こうやって魔鋼を造るんだ。
ちなみにこいつの名前は"クレセント"、能力は三日月状の斬撃が複数飛ばせるってやつだ」
「言うだけじゃなくて、実際に見せてよ! その方がわかりやすいしさ!」
鎌を肩に担いでジクスが言うと、サーシャが手を挙げてピョンピョン跳ねながら言った。
ティーナの言った通りで、サーシャにはジクスに話しかけることに躊躇う様子は無く、ジクスはフッと笑うと鎌に魔力を流し込んだ。
「いいかおまえら、よーく見とけよ!」
鎌の刃を銀色の魔力が包んだのを確認して、ジクスは生徒達がいない方に鎌を振り下ろした。
すると、刃からは三日月状の斬撃が複数放たれ、それらは縦に回転しながら訓練場の壁へと迫る。
壁に当たった瞬間に斬撃は吸い込まれるようにして消え、ジクスは再び鎌を担いで生徒の方を向いた。
「ここの壁には特殊な魔法陣が内側に刻まれてるから何も無かったけど、あれだけで上級魔法の倍近い威力がある。
まあ、それだけ魔力を込めたからだけどな。ちなみに、魔身具で属性付加したら属性付きの斬撃が飛ぶ」
ジクスは肩に担いだ大鎌を消して説明すると、今度はメリカが手を挙げた。
「ティーナ先生の魔鋼ってどんな能力ですか?」
「私のですか? 私のは……」
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