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2人が1階に降りると生徒は2人の近くに集まり、小さな声で自分の魔鋼のことを近くの友人に話している。
「ほら、次の説明があるんだから静かにしろ。下級魔法が使えるようになれば、予定通り模擬戦やるぞ」
ジクスが言うと、魔鋼を造ってテンションが上がっている生徒は静かになり、ジクスの説明を待つ。
静かになると、ジクスは右の手の平を天井に向け、そこから小さな銀色の魔力の球を出した。
「これくらいが下級魔法を使うのに必要な魔力だ。んで、この魔力を体の中で練って魔法名を言うと魔法が発動する」
「あ、あの……先生」
「ん? ああ、サラか。おまえ魔法が関係してるときは積極的に質問してくるな。で、どうした?」
控え目に手を挙げて言うサラに聞くと、サラは口を開けたり閉じたりして質問するのを躊躇っていた。
そんなサラを見て、ジクスは頭を掻いてサラに近づいていく。
ジクスの行動にサラはビクッと肩を震わせ、近づいてくるジクスを見たまま動けないでいる。
(あー、午前のときより酷いな。威圧したから当然っちゃ当然なんだが……)
サラの反応を見たジクスは内心落ち込んでいるが、それを表情に出さず、生徒の間を縫うようにしてサラの目の前まで移動した。
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