魔鋼造りと魔法の基礎

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「誰とっつーか、何とだな。空気中に漂う魔力と契約すると思えばいい。魔法の位が上がるほど詠唱が長いのは、補助してもらう魔力が多いからだ。 操作ができるようになれば、詠唱をしなくても魔法を使えるようになる。わかったか?」 「はい」 「よし。じゃあ説明も終わったし、ここに1列に並んで壁に向けて魔法の練習だ。 人に向けて魔法を使った場合、鼻の穴にオルト東部特産のわさびを塗るから」  説明を終えたジクスにサラは頷いて答え、ジクスの指示で生徒は1列に並んだ。  ジクスの手に握られている物は、いつの間にかチョークの箱から緑色の何かが入った小さな容器に代わっている。  容器には[ねりわさび]と書かれていて、それを見た生徒は再びどうやって出したのかを疑問に思いながら魔力を練り始めた。 「あ、魔法使えた奴から模擬戦やるから、使えた奴はこっち来い。最初に抜けた奴は、次のが抜けるまで俺とだから」 「えっ、ジクスさんと勝負できるんですか!?」  ジクスの言葉に生徒の大半が固まったのに対し、メリカは何故か嬉しそうな声を上げた。  その目はキラキラと輝いており、ジクスはその意外な反応に驚いている。 「嫌がると思ったんだが……」 「私もそう思いましたが、何故か嬉しそうですね」
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