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ジクスとティーナは生徒に聞こえないように会話し、生徒はジクスと模擬戦をするのが嫌で魔法を使おうとしない。
また、ごく一部は魔力を練ってはいるが、あとは魔法名を言うだけという状態で止まっている。
「んー、まあいいか。俺としては嬉しい反応だし」
「模擬戦を嫌がらないということは、あなたを怖がっていないということですからね」
やる気に満ちた目で魔力を練るメリカを見ながら、ジクスとティーナは小さな声で会話を続ける。
ふとジクスは魔力が放出されるのを感じ、メリカの隣に目を向けた。
「もう! 何でできないの!?」
そこには頬を膨らませて自分の手を見るサーシャがいて、その隣でサラが首を傾げていた。
「なーんーでー!?」
「うるさい、少し落ち着きなさい。ほら、深呼吸して」
両腕をバタバタと振って叫ぶサーシャに、サラがそれを宥める。
それは、妹の世話をする姉というのがぴったりな光景だった。
その直後、メリカ達がいる場所から少し離れた場所で魔力が放出されるのを感じ、ジクスはそちらに注意を向ける。
そこには壁に向けて魔法を使おうとしているクレイとシン、それと1人の男子生徒がいた。
「俺が先生と模擬戦して男らしいとこを見せれば、俺は女の子からモテる! "ストーンエッジ"!」
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