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メリカ同様やる気に満ちた目で言うクレイだったが、頑張る理由はモテたいというものだ。
だが、クレイが魔法を使っても周囲には一切変化が無く、シンと男子生徒は口元を押さえて笑っていた。
「クレイ、寝言は寝て言うものだ。小石すら出現しないおまえが1番に抜けることはありえないし、先生と模擬戦をするのは俺だ。
"サンダーエッジ"」
「クレイがそんなことしてもモテないでしょ、みんなから変態って思われてるんだし。
あと、先生とやるのは俺だよ。
"アクアエッジ"」
笑った後に2人はそれぞれクレイに向けて言い、魔力を放出した。
するとシンの目の前では小さな雷が発生して消え、その隣では小さな水球が発生して床に落ちた。
「チッ、ラグとは同じくらいか。模擬戦とはいえKランクと勝負ができるんだ、絶対に負けんぞ」
「こっちだって負けるつもりは無いさ。メリカさん達にもね」
少し長めの白髪を後ろで束ねた、灰色の目のラグと呼ばれた生徒は、シンの言葉にそう返して再び魔力を練り始めた。
「あ、そうそう。クレイも動機はどうであれ、先生と模擬戦やるつもりなら頑張りなよ」
そして少々落ち込み気味のクレイに声を掛け、再び魔法を使おうと魔法名を発した。
「ラグゥゥゥゥ!!」
「うるさい黙れ集中できないだろゴミ虫」
クレイは涙を流して床にのの字を書き始めた。
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