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ジクスの視線は男を貫くのではないかというほど鋭く、その目は氷のように冷たいものだった。
それを見て止まったのはその男だけではなく、その男が叫ぶのと同時に自分も攻撃しようとしていた他の2人も動きを止め、カタカタと震えている。
「てめぇらは確か最近警護課に配属されたガキどもだな……。たまにいるんだよなぁ、おまえらみたいに警護課に配属されてすぐに女の子を犯そうとする奴がさ。
ギルドの信用を利用して街で好き勝手できるとでも思ったのか?」
女の子を降ろしたジクスは言葉に怒気と殺気を孕ませ、相変わらず男達を睨み続ける。
「つーか警護課の上の奴らは何やってんだっつーんだよ。管理してたらここまでされる前に止めに来るだろうに……帰ったら説教してやらなきゃな」
いきなり顎に手を当ててブツブツと独り言を言い出したジクスを見て、男達は震える体を動かしてジクスに突っ込んだ。
「相手との力量の差もわからないのか、この雑魚どもが」
ジクスは男達を見ずに全員を片手で受け流し、男達は体勢を崩して転んだ。
「さて、この女の子に何か着せないといけない。だからローブをよこせ」
「ふざけんな!! "アースランス"!」
ジクスの言葉に叫ぶように言い返した男が魔法を使い、ジクスに向かって土でできた槍が放たれた。
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