魔鋼造りと魔法の基礎

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「シンってホントに容赦しねえな、肉体的にも精神的にも」 「私のレイの扱いと被りますね。私は第三者から見てかなり酷いことをしてますね」 「改善するつもりは?」 「ありません」  クレイ達を見ていたジクスが苦笑いで言うと、ティーナが顎に手を当てて呟いた。  だが、それを聞いたジクスの質問には満面の笑みで答え、改善しようとは思っていないことが表情からも伝わってくる。 「あいつだって色々と苦労してんだ、あんまり虐めてやるなよ?」 「わかっています。私だって、何の理由も無くそんな扱いをしているのではありません。レイが未だにギルドマスターの仕事を完璧に処理できてないからです」 「それでももう少し手加減してやれ。今回のなんか特に酷かったぞ」 「考えておきます」  2人はそこで会話を切ると再び2階に上がり、そこから生徒の様子を見始めた。  生徒はメリカ達以外は魔法を使おうとする様子は無く、近くにいる友人の様子を見ている。  きっと生徒の間では目で会話が成立しているだろう―― (おまえ早く練習始めろよ) (おまえが先に始めたらな) ――といった内容の会話が。  そんな生徒達を一瞥することも無く、メリカ達は魔法の練習を続ける。  サラは他の5人と比べれば消極的だが、それでも何度も魔法を成功させようとしていた。
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