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「"ファイアエッジ"!」
魔法を使ったサラの目の前には、側面の一部が尖った小さな火の球が出現した。
その形状は他の5人とは明らかに異なっており、全員の視線がその火球に注がれる。
魔法を使った本人も驚きで固まっていて、その光景を見ているジクスとティーナはクスクスと笑っていた。
「さて、このままだと俺と模擬戦をするのはサラになりそうだな」
ジクスの言葉にティーナは頷いて同意を示す。
その間にも6人はそれぞれ魔法の練習を続けていた。
6人は全員違う属性で、メリカは光、サーシャは闇、サラは火を出現させ、クレイ達もそれぞれの属性の球を出現させる。
回数を重ねるたびに形が徐々に変化していき、消えるまでの時間も長くなっていく。
「おっ、そろそろだな」
ジクスがそう言った直後、雷の刃が壁に向かって一直線に飛んでいった。
刃は壁まで届かずに消えたが、それを放ったシンは口を開けて固まっている。
「シン、どうやったんだ!? なあ、どうやったんだ!?」
「2回も言うな、欝陶しい。どうやった、と言われてもな……」
隣にいたクレイがシンの肩を掴んで叫ぶように言うと、シンはその手を欝陶しそうに払い、どう説明すればいいか悩み始めた。
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