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それから数秒後、シンが悩むのを止めて顔を上げると、いつの間にかメリカ達も目の前にいた。
「説明を聞きにきたのか?」
「それ以外でこんなのの隣にいると思う?」
シンの言葉にサラがクレイを指差して答えた。
クレイとメリカ達の間にはラグが立っており、メリカ達に近づこうとするクレイの邪魔をしている。
「思わない。サラの性格上ありえない」
それを一瞥したシンは淡々とした口調で言葉を発し、サラは小さく笑った。
「ラグ、邪魔すんな!」
「やだよ、クレイはこの3人の誰かに抱き着くじゃん」
「当たり前だろ! こんな可愛い女の子に抱き着かないなんてありえ「黙れ変態」」
サラが冷たい目で見下すような視線をクレイに注ぐ。
そんな目で見られたクレイは何故か鼻息が荒くなっていき、恍惚とした表情へと変化していく。
「その! 冷たい目が! 最高です!!」
「せんせー! クレイが邪魔するから、どうにかして!」
一言一言を強調して言うクレイを見て、サーシャが2階にいるジクスに向かって叫んだ。
するとジクスは苦笑しながら2階から飛び降り、直後にクレイの背後に移動した。
「クレイ、おとなしくするのと鼻にわさび塗られるの、どっちがいい?」
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