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「わさびを希望します!」
「そっか、やっぱりおまえは苦痛を快楽に変える魔法使いだったんだな」
クレイの言葉にジクスはそう返し、左手でクレイの頭を掴み、右手でわさびの入った容器を開ける。
「ああ、これ生産地で1番辛いって言われてるやつだから」
「え゙っ!? 言うの遅っ、あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!??」
器用に指にわさびを出して、ジクスはそう説明してクレイの鼻にわさびを突っ込んだ。
クレイは鼻を押さえて床をゴロゴロと転がりながら叫び、ジクスはそれを気にせずにキョロキョロと誰かを探し始めた。
(レミアは何やってんだ? あいつはもう中級魔法まで使えるはずなんだけどな)
「痛い痛い痛い痛い!! 想像を超える痛さ!! 何これ!? 何かヤベェ!! 何がかわかんねえけど何かヤベェ!!」
転がるクレイは鼻を押さえているため、鼻からわさびがはみ出している。
地面をのたうちまわりながら目からは涙を流しているが、何故かその表情は笑顔だ。
「うわっ、やっぱりドMなんだ……」
「サーシャ、見ちゃ駄目。眼球が腐るわよ」
「大丈夫、目開けてないから!」
クレイを見たメリカ達は少し離れた場所からそんな話をしていた。
その隣ではシンとラグがため息を吐いている。
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