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学園に入学してから1年が経ったが、レミアには友人ができなかった。
入学して数週間は話しかけてくる人もいたが、無表情で短い言葉しか返さないレミアに話しかける人はいなくなったのだ。
(友達、できたらいいな)
レミアは不安ではあったものの、期待もせずにはいられなかった。
その不安と期待を胸に、レミアはジクスに揺られながら小さく笑った。
「なあ、何で男の友達はいらないんだ?」
「嫌らしい目で見てくる」
「そっか」
短い会話を終えると、2人は動かなくなったクレイを無視して、魔法の練習を再開したメリカ達に近づいていく。
ティーナも何もしないので、クレイは魔法を練習しようとしない男子数名によって、訓練場の端に持って行かれた。
「メリカ、サラ、サーシャ、ちょっといいか?」
「はいはい、何でしょう?」
ジクスの言葉に反応して3人は振り返る。
メリカとサーシャは笑顔で、サラはぎこちない笑みを浮かべていた。
「こいつと一緒に練習してやってくれねえか?」
「こいつ? あっ、レミアちゃん! いいよ、大歓迎だよ!!」
ジクスが背中にしがみつくレミアを指差して言うと、サーシャのテンションが一気に上がった。
メリカとサラもどこか嬉しそうで、その反応にレミアはキョトンとしている。
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