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「暇だ……誰でもいいから早く成功させてくれねえかな」
「シンがもう少しで成功するんじゃないでしょうか? 先程は魔鋼に属性を付加していましたし、魔力の操作はできているようです」
ジクスがアビスをクルクルと回しながら怠そうに言うと、隣でティーナが生徒を観察していて思ったことを述べる。
このときシンの魔法は形は完璧で、飛距離に問題があるだけなのでティーナの意見は正しいと言えるだろう。
「ま、それが普通の意見だよな」
「゙普通の゙……ですか。まるで、シンよりも早く成功する生徒がいるような口ぶりですね」
「確証がねえから断言はできねえが、サラなら可能性はある」
生徒から視線を外したティーナはジクスの方を向き、ジクスは相変わらずアビスを回している。
しかしその目は真剣そのもので、冗談などで言っているのではないことが感じられる。
「サラですか……まあ、たしかに可能性はありますね。魔力操作に関しては、他の生徒よりも優れているようですし」
「だろ?」
そう話す2人の目にはメリカ達の魔法が映っており、火と雷の刃が着実に飛距離を伸ばすのを眺めている。
他の4人も飛びはしているのだが、シンやサラのようには飛距離が伸びていないようだ。
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