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飛び降りた直後にジクスはサラの前に移動し、ティーナは生徒を誘導し始めた。
「サラ、今から俺と模擬戦やるぞ!」
「へっ!? いや、まだ壁まで届いてないんですけど……」
「なんだ、おまえも勘違いしてんのか。ったく、俺がいつ壁まで届けば成功っつった? 今日はある程度飛ばせればいいんだよ」
ティーナがサラ達以外をサラと同じ飛距離で魔法が壁に届く位置まで誘導している中、ジクスは首を傾げるサラを見て頭を掻きながら言った。
その仕種を見たサラがビクッと肩を震わせると、誰かがサラの服の裾を引っ張り、サラはそちらを向く。
すると、プクッと頬を膨らませているレミアと目が合った。
「にぃは怖くない」
「うっ……」
そう拗ねたように言うレミアを見て、サラは顔を背ける。
(ああ、何でこんなに可愛いのかしら? 今すぐに愛でたい)
「サラ、愛でてもいいけど先に模擬戦だ」
「へぁっ!? な、何でわかったんですか!?」
考えが読まれたサラは奇声を発し、顔を真っ赤にして慌てて言う。
それにジクス達が答えずにいると、再びレミアがサラの服の裾を引っ張った。
「普通に喋ってた」
口に出していないと思っていたサラはそれを聞いて固まり、メリカ達は苦笑しながら移動した生徒の列に混ざる。
レミアもそれに着いていったため、残されたジクスは暗い雰囲気を放つサラをどうやって戻すかを悩んでいた。
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