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ジクスは手に持っている銃を消すと、近づいてこない女の子にローブを1つ拾って投げ、女の子はそれを急いで着てジクスの方を向く。
「あの……ありがとうございます」
そして一定の距離を保ったまま頭を下げてお礼を言った。
当然のことだろうが、助けてもらったとは言え、ジクスに襲われるかもしれないという不安が消えるわけではないようだ。
「お礼を言う必要はない。うちの隊員が迷惑をかけたんだ、けなされても文句は言えねえよ。
それに警護課の馬鹿が隊員の監視を怠ったのも原因だしな。本当に申し訳ない」
ジクスは女の子にそう言って頭を下げた。
女の子はそんなジクスを見てオロオロしだし、ジクスに恐る恐る近づいていく。
「あ、あの、頭を上げてください! 悪いのはあの男達で、あなたは私を助けてくれたじゃないですか! あなたが謝る必要はないですよぅ!」
女の子はジクスに近づくと、未だに頭を上げないジクスの前でワタワタと腕を振って言った。
「そ、それに、胸とか触られましたけど、その……入れられてませんし……」
女の子は段々と小さくなる声で言い、最後まで言うと真っ赤になって俯いてローブをにぎりしめた。
「……恥ずかしいなら言わなくていいのに」
頭を上げたジクスは俯いたままの女の子を見て言い、それを聞いた女の子は顔を上げて、羞恥からか涙が溜まった目でジクスを見た。
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