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眉間に大きな傷跡を残した男が広間から建物の隅々にまで聞こえるようなを張り上げている。
どうやら名前を呼んでいるみたいだが、一向に返事をしないどころかすれ違う衛兵達はいつもの事かと言うように困ったように笑う。
「シキぃぃい!シキはどこに居るんだ!!」
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耳障りなしゃがれた声、私はいつものごとくそれを聞き流し門番としての仕事をこなす……筈なんだが
私の目の前には嬉しげに私を見つめ品のある微笑みを私に返す女性が居る。
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