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同僚の衛兵は困り果てた顔を尻目に女性は嬉しげにニコニコと笑っている。
「はぁ…」
「大丈夫ですかっ、どうかなされたのですか?何か悪いことでもありましたの?
もしかして…お父様が何か致しました?」
私のため息と表情に出してない疲れを敏感に感じたのか
女性はうなだれた私の顔をまじまじと頭一つ分下から覗き込む
「最近は早番が多いですから疲れてるだけですよ。
それよりも姫様は何故このようなところに?」
私達は現在、大粒の岩を重ねて作られた検問所に居る。
「何故?
愚問ですわね、答えは一つ…愛故にです!」
何のこっちゃ私にはさっぱり分からないが、こんなに威風堂々と言うんだからそうなのだろうと妥協策をとって
やる気のない受け返しをした。
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