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「ちょっ、待て待て!! って、あちっ! 危なっ!!」
次々に飛んでくる、拳の形をした炎を、紙一重で避けている少年。
フォーラン魔法学園の1年生で、平行世界である地球から来た男――――【神崎 北斗】
右手に、この世界【ガイヤ】には存在していない“刀――妖刀・村正”を持ち、服を所々焦がしながら、必死の表情で動き回っていた。
「北斗く~~~ん! 頑張って~~~」
そんな北斗の後ろから声援が聞こえてきた。
彼女は、北斗と同じくフォーラン魔法学園の1年生――――【ソフィア・ラートリー】
北斗はソフィアの声援に応える余裕も無く、目の前に居る女性“2人”に目を向ける。
「ほらほら、躱してるだけじゃあ私がつまんないんだよねぇ~」
体に燃え上がるような火の“煉”を纏い、拳から炎を出して北斗に向け、放っている女性――――【ルティ・マーガレット】
遥か昔から伝わる煉を使った武術“炎舞“を使い、北斗を攻撃している。
ルティが拳を、拳打の要領で前に突き出すと、そこから出た拳の形をした炎が飛んでいった。
「――――っ!? そんなっ、事、言われたっ、て~~ぬぁっ!!」
ルティの言葉に反乱したくても、次々に襲ってくる炎を躱すことで精一杯の北斗は、反撃する余裕が無い。
もし、これが1対1の戦いなら、北斗も少しは応戦出来たかもしれないが、相手は2人。
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