空から客

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駆けつけた野次馬は一斉にため息をつく。マスコミも落胆し、宇宙人とのファーストコンタクトは若者のイタズラ、ということで片付けられた。 地元警察に青年は逮捕され、上手に出来たUFOだ、などと言いながら野次馬は三々五々散って行った。 事態が急転したのはその日の午後である。取り調べに要領を得ないことばかりを話す青年を、軍服の士官が引き取りに現れた。 どうやら押収されたUFOから、現代の科学では作ることのできない装置が発見されたのだ。いや、そんな装置ばかりだった。 姿形こそ地球人であるが、ひょっとしたら本物の宇宙人かもしれない。政府はそう判断し、軍隊に青年を引き取らせたのだ。 軍の秘密研究所に送られる間、血液と体の皮膚の一部を採取され検査にまわされる。
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