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「ほとんどは誰かのイタズラです。本物のタイムマシンは数えるほどです。それが目撃されたかはわかまりせんが」
「なるほど。ではあなたのような時間旅行者は珍しいのですか」
「はい。ほとんどいないでしょう」
科学者はなるほどと感心する。見ればハンサムであり知的な顔をした青年だ。きっと未来の世界のエリートなのだろう。この時代には何かの調査で訪れたのか。
「ところで、あなたはなんの目的でこの時代に来られたのですか。何かの調査で、もしやこれから大きな事件でもあるのですか」
ハンサムな青年は、そこで暗い顔をした。
「実は、私は未来で犯罪を犯しまして。これは刑罰なのです。それももっとも重い」
「なんですって、この時代に送られることが刑罰ですって。そんなバカな。なんだってそんなことが罰になるのですか」
「いやいや恐ろしい罰です。だって、こんな野蛮な時代に一人で送り込まれるんですよ」
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