203人が本棚に入れています
本棚に追加
「そんな急に、私にはまだやり残したことも沢山あるし、いきなり寿命だなんて」
「納得できませんか?」
「当たり前だ。隣の爺さんなんか私より三十も年上なのに、どうして私が、」
「決まりですので」
「勘弁してくれ。こんな突然の終わりじゃ死んでも死にきれない」
男は涙ながらに懇願した。すると死神は得意な顔をする。
「はいはい。あなたの言い分はもっともです。というかそのテのクレームは何千年も前からありまして、我々もサービス業。お客様の満足を日夜心がけております」
そう言って死神はカタログを取り出した。
最初のコメントを投稿しよう!