過剰サービス

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「そんな急に、私にはまだやり残したことも沢山あるし、いきなり寿命だなんて」 「納得できませんか?」 「当たり前だ。隣の爺さんなんか私より三十も年上なのに、どうして私が、」 「決まりですので」 「勘弁してくれ。こんな突然の終わりじゃ死んでも死にきれない」 男は涙ながらに懇願した。すると死神は得意な顔をする。 「はいはい。あなたの言い分はもっともです。というかそのテのクレームは何千年も前からありまして、我々もサービス業。お客様の満足を日夜心がけております」 そう言って死神はカタログを取り出した。
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