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マヌ氏は精力的に行動し、蒼天の神々の頂きを越え、ついにその料理を口にする部族の村へ足を踏み入れた。
「あなたがたの食べている雌牛の料理をいただきたい」
マヌ氏は単刀直入に部族の長老に申し出た。
「雌牛は神聖なもの、まして何もないこの村の数少ない財産を寄越せとおっしゃられるのですか」
長老は丁寧な口調で断る。
「金なら払う」
「ここは外界と隔絶しております。お金をいただいても使う術がございません」
「ならばこの金の時計ではどうだ」
「この村では時計を必要としません」
「ではどうすれば食わせてくれるのだ?」
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