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「食わせろとおっしゃいますが、あんなもの本来ならば口にするものではありませんよ」
「ごまかしても無駄だ。ここの雌牛はヒマラヤにしか生えないカシの香草のみを食って育つという。その肉はまるで果物のような香りを放つと言うではないか」
「カシの草ならそこらに生えております。ではカシの草で作った粥をふるまいますので、それで満足してくださいませんか?」
「だめだだめだ、」
「しょうがない。では条件があります。けしてよそ者には食わせることのなかった秘中の秘。これを食するならば村の娘を嫁にして、村の人間になってもらいます」
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