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少し歩いた場所に,
門がありました｡
門と言っても小さな,
家のドアぐらいの鉄格子｡
門の前に,人影がありました｡
執事が着るような服を,
うさぎの顔をした者が
着ていました｡
うさぎのような顔 ではなく,
うさぎでした｡
二足でうさぎは
立っていました｡
うさぎは私たちを,
招き入れました｡
不気味｡
私は躊躇いました｡
男性は迷いもなく進みました｡
父さんと母さんも,
後に続きました｡
待って
置いて行かないで
私と弟も,
焦りと好奇心とに揺れて
門の中へ意を決して
入ってしまいました｡
うさぎは私に
紙を渡しました｡
葉書ぐらいの大きさの紙｡
[存分に楽しんでください｡88日間生き残ることが出来たなら,貴方の勝ち]
見るとそこには
人がたくさん居ました｡
大きくて広い部屋｡
椅子に座っている人や,
ゲームを楽しんでいる人,
豪華な食事を食べ歩いて人｡
しかし,皆
目が虚ろなのです｡
よく解らない独り言を
譫言のように口々に
呟いていました｡
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