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「逃げらんないよ。入ってしまったら最後。一生……」
最後まで聞きたくなかったので,
7階に着く前に,
2階でエレベーターを降りました。
鍵は幸い私が持っていたので,
階段で7階まで帰り,
我が家に着くことが出来ました。
後で気づくことなのですが,
私と弟の左腕には,
刻印のような痣が
残っていました。
そして
88日経っても
数年経った今でも
父さんと母さんが帰ってくることはありませんでした。
今はもう,
母方のお母さん,
おばあちゃん家に引っ越してしまい,
あのマンションに近づくことはありませんが,
エレベーターや
うさぎを見る度に
思い出すんです。
母や父は,
どうなってしまったのか。
勝っていたなら,
何を得たのだろうか。
私と弟は一生……
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