プロローグ

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子供の頃の些細な約束事。 近所で仲良しだった女の子との小さな誓い。 親の都合で都会に引っ越す彼女は僕を呼びつけてこう言った。 「よー君は大きくなったら月のところに必ず会いにくること!」 「え~!月ちゃんが会いに来るんじゃないの?」 「月は女の子だから男の子を待つの!よー君は男の子だから月に会いに来るの!」 よくわからない理由に頭を傾げる僕の右手を掴み月ちゃんは自分の右手の小指と僕の右手の小指を絡ませた。 「ーゆーびきーりげーんまーん、うーそつーいたーらはーりせーんぼんのーます!ゆびきった!!」 指を離すと後ろを向いて月ちゃんは走り出した。 呆然とする僕に震えた声で月ちゃんは走りながら言った。 「約束破ったら許さないんだからね!ずっと待ってるからね!」
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