一章

4/6
前へ
/8ページ
次へ
今後の学校生活を大きく左右する初期イベントをどうクリアーするかが今のポイントだな。 額に手を当て考えるポーズをとる俺に彼女の方から話しかけてきたではないか。 「あっ、あのっ!!」 「んはぁい!」 突然の声掛けにビックリして変な奇声を上げてしまった。 そんな俺に更にビックリした彼女も目を丸くして両手で口を抑えている。 「えっ…と、天野陽太です。よろしく」 驚きのあまり謎に自己紹介をしてしまった。 「えっ…あっ、永瀬小桃です。よろしくお願いします」 なんか彼女まで自己紹介をするお見合いみたいなことを路上でしてしまった。 もしやこの子は天然なのか…? なんか気まずいやら恥ずかしいやらその場に立ったまま俺たちは沈黙した。 (ヤバいな…さすがに何か喋らないと) そう思って口を開き掛けたとき後頭部に強烈な衝撃が走った。 表すなら滝修行で頭上から丸太が降ってきたとも階段で足を滑らせて後頭部を階段に思いきりぶつけたとも近しいなんとも言い難い衝撃に痛みを越えて一瞬綺麗な川を垣間見た俺は地に膝をつけ現状を把握すべく顔を上げた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加