銀時

3/3
前へ
/5ページ
次へ
夢境に蘇る惨憺な光景 朱に染まりゆく姿 悲しみのように降る雨の中で 空を見上げ流した涙 命奪い奪われてきた 嘆きだけを戦場に残して   両手に抱えられていた かけがえのない結晶 いともなく砕けちり 目の前で消えてゆく 未来信じ手にした刀 けれど手に残るものはなく   苦しみの叫び天に届くことなく 握りしめた拳に伝う血   灰になった友たちの想いが 俺の胸をかきむしる   もう失いたくないのに 気づけばこの両手に 抱えられている小さくも 強く暖かい結晶   夢境に蘇る惨憺な光景 朱に染まりゆく姿   忘れることはないけれど 今は笑顔で生きていける
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加