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「……ハア。もう、仕方ないなー。
まあ要するに周りにレイヴだってわからなければいいんだよね☆」
そんなレイヴにルゥはあからさまにため息をつくが、優しい笑みを浮かべて仕方ないと了承した。
その瞬間レイヴの表情はパアッと明るくなり安堵する。
しかし、次に発っせられた彼女の言葉を聞き、黒く変化した笑みを見て一気に不安になるのであった。
「まあ、そうだけどさ…(なーんかやな予感するな…。てかあの顔は絶対なにかたくらんで――)」
「じゃあいっくよー!…我は天の使いルゥ、今ここにて天界の元に大古の理を覆し、彼の者に新たな理を創造せよ!…『ルールブレイク!』」
「はっ!?ちょっとまて!『ゼロ・フォ「残念、もう遅いよ~」うわっ!?」
そのレイヴの不安は見事に的中した。
ルゥはいきなり詠唱を始めて魔法を発動させ、レイヴはかなりの危機感を感じとり急いでルゥの魔法を消そうと魔法を発動させようとする。
しかし、彼の魔法は間に合わず、次の瞬間にレイヴの体からかなり複雑な魔法陣が出て来て、レイヴは全く身動きができなくなったのであった。
そしてその出てきた魔法陣に、ルゥが指をさすと一部の文字がボロボロと崩れさる。
次に彼女は崩れ去ったところに指をさし、今度はそこに先程とは違う文字が埋め込まれ、再びレイヴの中へ沈んでいった。
そしてレイヴは身体が異様に熱くなるのを感じるのと同時に意識を手放していった…
ーーーーーーーーーーーーーーーレイヴとルゥが出会ったのは8年前である。
レイヴはあのあと、グレイに飛ばされ森にいた。
当然魔物がいて襲われたが、レイヴはもう生きる気力を失っていて、ただなんで自分がこんな目に合わないといけないのか考えていたのだった。
そしてボロボロになり体を動かすこともままならなくなったとき、レイヴに新しい感情が芽生える。
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