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「なんで?妹さんと会いたいんじゃないの?」
辛そうな顔をしてそう言い放つレイヴに、『堕天使』ルゥは不思議そうな顔をして、疑問をありのままにぶつける。すると…
「もちろん会いたいよ。できるなら今すぐにでも…!
…でも、セナは小さい頃僕をかばってくれていた。ゆえに他の貴族から孤立してたんだ。…だから、あの時僕がいなくなったから必然的にセナは一人になったはずなんだよ。もしかしたら僕の代わりに辛い仕打ちを受けていた可能性だって十分にある!
……僕は、自分をたった一人でずっと支えてきてくれていたセナを裏切ってしまったんだ…。…多分、セナは僕のことをかなり恨んでいるはず…。セナは何も悪くないのに僕のせいでね…!だからなんだよ…」
レイヴは自分の秘めた感情を剥き出しにしながら、自分の中の葛藤を苦しそうに告げたのであった。
それに対してすぐにルゥは反論を始める。
「それは仕方ないよ、レイヴは無理矢理転送されたんだから!レイヴが自分でいなくなった訳じゃない。別に妹さんを裏切ってなんかない。それに妹さんもきっと信じてくれているよ!だって…兄妹じゃない」
「そうなんだけど……僕は、セナに拒絶されるのが怖いんだ…。…勘違いだとしても…。だから、頼むよルゥ…」
だが、ルゥの言葉を聞いてもレイヴはそう言い、辛そうな表情をしながらルゥに縋るようにそう懇願したのだった。
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