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「体裁…ですか……?」
「ええ、せっかくみんな、何もかも忘れて再スタートしようとしてるのに……。誰にも住所を知らせず引っ越しましたし、主人も新しい仕事決まりましたし…。とにかく、そんな状況で、娘が不登校なんて困るんです!」
「涼花は、誰も知り合いがいない学校に転校します。…事件のことだって、世間は忘れてきているし、涼花の名前は出てません。誰も気付かないはずです。」
横から、父親も口を挟む。
(………この両親は、娘のためだと言っているが、本当は………。)
赤木の、握りしめた拳が、小刻みに震えた。
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